JCSインターネット予選使用構築 ジュラインテ・ミッドレンジ

 

皆様こんにちは,akabaです。8世代でもどうぞ宜しくお願い致します!

 

今回は,先日開催された2月INCにおいて使用した構築の紹介をさせて頂きます。

 

長い時間を費やして煮詰めた構築と言うこともあり,力を入れて記事を作成しました。ぜひ,ご覧下さい!!

 

まずは使用構築の紹介から。以下,使用構築になります。

 

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構築経緯

 

第一に,構築においてダイマックスさせるポケモン,つまり軸となるポケモンを環境と照らし合わせながら考察しました。今回作成した構築は,安定して勝ち続けることが求められるINCにおいて使用する構築であるため,安定性とパワーを両立した構築を作成しようと考えました。

 

まず,安定性の観点から言及します。今回のルールにおいて一番不安がある技が「サイドチェンジ」でした。特に,トゲキッスの「このゆびとまれ」と両立したパターンや,環境に少ないポケモンがこの技を使う場面もしばしば見受けられる現状があります。そこで,この問題を解消する意味から,使用する構築の主軸としてジュラルドンを選択しました。ジュラルドンは特性「すじがねいり」によって,攻撃対象を変更する技を無視できる強みを持つと同時に,物理方面であれば,ある程度の受けも可能であるため,私自身のプレイングの癖とも上手く整合性を図ることができたと感じています。また,同等の特性である「スクリューおびれ」を持つカマスジョーの存在がありますが,ダイマックスした所で耐久性が脆弱すぎるため,構築の軸としては不適当であると考えました。また,環境に多いドラパルトとトゲキッスの並びに対してもS操作等を絡めることで,基本的に有利盤面を取ることができる点もカマスジョーには無い強みでありました。

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また,INC等のいわゆるbo1のバトルにおいては,俗に言う所の「一発芸構築」「コンボ・初見殺し構築」が非常に難敵であります。そこで,これらのコンボ系の発動を抑制し,盤面を柔軟にコントロールする意味から,「このゆびとまれ」を使用でき,ジュラルドンの弱点である地面タイプを透かすことができる,トゲキッスを選択しました。トゲッキスは特性「きょううん」により,無意識に確率を押し付けることができます。韓国の有名プレイヤーであるセジュン氏が,自身の記事「超攻撃的エルフキッスパッチラゴン」の中においても指摘している通り,最低限ダメージレースを行うこともでき,いわゆる汎用性の塊であると言えます。また,今回のルールにおいて使用率が非常に高いということもあり,様々な型が存在するトゲキッスを構築に組み込むことは,選出の段階でも相手に様々な択を与えることができ,非常に強力なポケモンであると考えました。

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ここまで,構築における主軸であるジュラルドン,トゲキッスの強みを安定性の観点から言及しました。しかし,このままでは火力不足が否めません。そのため,今回の構築におけるテーマの一つであるパワーの観点から考察する必要があります。そこで,これらを加味し,ジュラルドン・トゲキッスと組み合わせるポケモンとしてエルフーンを選択しました。エルフーンは,「おいかぜ」で素早さを補うこと,そして「うそなき」によって相手の特防をダウンさせることで,微妙に足りない上記のポケモン達の火力を補うことができることから,ある程度の安定性とビートダウン色を両立することができ,今回の構築においては好都合なポケモンであると考えます。また,草タイプの技をタイプ一致で使用することができ,環境に多い水ロトムミロカロス等に打点を持つことができる点も非常に魅力的でした。

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次に,この三匹の組み合わせのもとで苦しいポケモンや並びを考えました。ジュラルドンを使っていく上で,苦しい相手の筆頭にウインデイが挙げられます。日本の有名プレイヤーであるキヌガワ氏が,自身の動画「徹底解説シリーズ」の中で指摘している通り,ジュラルドンは上からバークアウトを連打されるだけで置物になり,ダイマックスターンを枯らされ,それ以降のゲームメイキングが難しくなります。また,「すてゼリフ」を持つシルヴァディ等も同様に苦しい相手です。そこで,相手から受けるナーフ系の技や特性をトリガーのできる「まけんき」を持つナゲツケサルを選択しました。ナゲツケサルは上記の強みの他に,環境に多いバンギラスドリュウズの砂構築に対する打点を保障し,かつジュラルドン自身がドリュウズに対する決定打を持っていないといった弱みをカバーする観点からも最適な選択であると考えます。また,構築に入れるだけで見せ合いの段階から相手の選出を絞ることができる(例えば初手にウインデイやギャラドスを選出することが躊躇される)ため,それを加味した選出をすることで,出し勝ちすることができる場合もあり,有利にゲームメイクすることにも貢献してくれました。

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ここまで,ジュラルドンを軸とした基本的な並びが完成しました。しかし,このままでは,対リザードン構築に対して勝利することが厳しく,何らかの対策を講じる必要があると考えました。さらに,砂構築に対してナゲツケザル以外の明確な対抗策を講じていないため,これらに打点を持つことができる水タイプのポケモンを考察し,これらの構築に対して有効打を持つことが可能であるポケモンとしてインテレオンを採用しました。インテレオンは高い素早さと火力を両立したポケモンであり,先述したエルフーンとも相性が良いポケモンです。ジュラルドンをダイマックスさせることが不適であると判断した際には,インテレオンをダイマックスさせ,ゲームメイクを行うことで,構築における戦術の幅を広げることができることができるため,今回の構築との相性が適切であったと考えます。また,専用技である「ねらいうち」は相手の攻撃対象を無視して攻撃できるため,先述した安定性にも通じる強みを持ちます。そして,何より「すなかき」状態のドリュウズエルフーンの「おいかぜ」を加味して抜くことができるため,序盤の荒らし,詰めの掃除役どちらも可能である非常に強力なポケモンであります。

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ここまで,五匹の並びが完成し,残りの一枠に何を採用することが適当であるか,非常に悩み,時間を費やしました。ある時は,対トリル性能や対インテレオンバイバニラに対する勝率を上げるためにカビゴンを。またある時には,インテレオンと横の並びを意識してバイバニラを採用したりと,試行錯誤を重ねましたが,どれも今回の構築にしっくり合わず,いわゆる一匹だけ浮いた状態であるまま本戦直前まで悩んでいました。しかし,直前になり,友人のkou(昨年の日本予選にて世界大会の権利を獲得している)から助言を頂き,協議の末にヒートロトムを採用することとなりました。ヒートロトムを採用することで,今回の構築におけるフェアリー等倍の一貫を切ること,対アイアントにおいてより安定した立ち回りができること,トリックルーム下のコータスにダメージを与え,「ふんか」の火力を抑えること,相手の隙を見て「わるだくみ」を使い,ゲーム展開を有利に進めること,トゲキッスに対して後出しができること等の様々なメリットがあり,構築において新しい引き出しを生むことができました。

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このような構築の作成過程を経て,今回使用した構築が完成しました。作成した構築名は「ジュラインテ・ミッドレンジ」としましたが,「ミッドレンジ」とはいわゆる中速のビートダウン色を持つ構築のことです。エルフーントゲキッスによる補助技で盤面を上手く作り,軸となるポケモンで戦局を優位に進めることから,高速ビートダウンである「アグロ」とは異なり,中速の「ミッドレンジ」の方が構築名として適切であると判断しました。また,インテレオンの要素を構築名に取り入れた理由は,ジュラルドンに次ぐダイマックスエースとして機能することが多くあったためです。

 

個別解説  ※数値の項における括弧内は与えた基礎ポイント

 

f:id:shun0727akaba:20200227175647p:plainジュラルドン

 

性格 ひかえめ

特性 すじがねいり

道具 じゃくてんほけん

技  ラスターカノン,りゅうせいぐん10まんボルト,まもる

数値 157(92)-×-136(4)-176(156+)-71(4)-137(252)

調整 Cを11nで調整,Sを準速にした上で残りをそれぞれ振り分け

 

今回の構築における主軸のポケモンです。ジュラルドンはダイマックス前提のポケモンであるため,かなりクセが強いですが,特性「すじがねいり」のおかげで相手のサイドチェンジ,このゆびとまれを考慮せずにある種安定した立ち回りを取ることができ,想定通りの活躍をしてくれました。

 

道具は,後述するインテレオンにいのちのたまを持たせていることもあり,火力補強アイテムであるじゃくてんほけんを選択しました。また,後述するナゲツケサルのじしんでじゃくてんほけんを能動的に発動できるようにしました。

 

配分は,韓国の有名プレイヤーであるセジュン氏がWorld Champion Invitational 2020において使用していたジュラルドンの配分を借用させて頂きました。彼が指摘している通り,ジュラルドンは素早さラインとして最速バタフリーを抜く所が基本となると私も考えています。そのため,性格をひかえめにし,基礎ポイントの振り分け効率が最大となる調整に落ち着きました。最速ジュラルドンも一定数いますが,道具がじゃくてんほけんであるため(いのちのたまは後述するインテレオンに持たせています),瞬間火力を出す上ではどうしても相手本意になることが多く,特殊方面をある程度意識した育成が望ましいとの結論に至りました。耐久調整については,物理耐久が族値的に高い点,ダイスチルで上げることが可能な点,特殊耐久が種族値的に低く,素早さや火力を削ってまで補填する必要性に欠ける点等の理由を加味したものになっています。

 

技構成については,三大ダイマックス技(鋼,地面,飛行)の一つであるダイスチルのベースとなるラスターカノンを選択しました。てっていこうせんはダイマックス時の火力に強みはありますが,非ダイマックス時に使用が躊躇されるため,候補から外しました。次に,ダイドラグーンのベースとなるりゅうせいぐんを選択しました。こちらは非ダイマックス時のデメリットが少なく,ダイマックス時の火力がりゅうのはどうと比較した際に上昇する点を加味しての選択となりました。対バンギラスで,相手の火力を落とす際に弱点をつかずに削る選択肢が生まれること,トップメタの一角であるドラパルトに大ダメージを与えること等と言ったダイスチルを選択しない場合の汎用的なタイプ一致技として有効でした。次に,ダイサンダーのベースとなる10まんボルトを選択。かみなりは非ダイマックス時に命中不安であり,安定した勝利が求められるインターネット予選には不向きであると考え,候補から外しました。ダイサンダーはミロカロス等に打点を持つことは勿論,催眠系の技の対策も兼ねています。特に,あくびに耐性を持つ観点から非常に有用でした。そして最後の枠にはまもるを採用しました。軸となるポケモンであるため,大切に扱いたい場面が多くあることは勿論,まもるを挟んだ上で後述するトゲキッスに交換し,このゆびとまれで技を吸う立ち回りに強みを感じた等の理由からの選択となりました。ジュラルドンは他にもソーラービームをベースにダイソウゲンや,あくのはどうをベースにダイアークを使用することができる強みを持ち合わせていますが,ダイソウゲンは攻撃対象がピンポイントすぎる点,ダイアークはじゃくてんほけんと組み合わせることで,多くのトリックルーム要員を止めることができるものの,対トリックルーム構築に対してはトゲキッス等と組み合わせることで,一回までなら立ち回りで対応可能な点を加味し,まもるを切ってまで採用する理由に欠けると判断し,今回の技構成での採用となりました。

 

余談ですが,ジュラルドンの育成論において何を持たせるか?という点は様々な議論があることが実情です。ここまで「構築による」「チョッキで足りない特殊耐久を補う」「珠以外論外」等といった様々な意見を耳にしてきました。そのような意見を総括し,私としては「じゃくてんほけん」「いのちのたま」等の火力補正アイテムに限られ,「とつげきチョッキ」は視野に入らないという結論に至りました。じゃくてんほけんであれば,自らじゃくてんほけんを発動させ対トリックルーム要員を突破して試合を有利に進めること,相手から弱点タイプの攻撃を受け,返しに大ダメージを与える等の強みが想定されます。いのちのたまであれば,条件無しで微妙に足りない火力を補うことができる等の強みがあり,それぞれに異なる利点があります。しかし,とつげきチョッキは相手からの特殊攻撃の火力を抑えると言ったいわゆる受け身の思考であり,何らかの攻撃を耐えた所で返しの攻撃の火力が微妙に足りないといった場面が散見されました。ダイマックスの仕様上,環境としてもビートダウン色が強く,ジュラルドンを構築の軸となるポケモンと捉えた際にそのような課題が生じることは好ましくないと考えます。

 

f:id:shun0727akaba:20200119204221p:plainインテレオン

 

性格 おくびょう

特性 げきりゅう

道具 いのちのたま

技  ねらいうち,れいとうビーム,マッドショット,まもる

数値 146(4)-×-85-177(252)-85-189(252+)

調整 CSに特化させているため無し

 

今回の構築においては,ジュラルドンでは対応不能な構築に対して選出するアタッカーとして採用しました。相手がキョダイマックスリザードンを主軸とした構築や,特殊アタッカーを中心とした構築等の場合にダイマックスさせます。しかし,ジュラルドンと異なり,ダイマックス無しでも十分な活躍ができるため,扱いこそは慎重にならざるを得ませんが環境にいる多くのポケモンに打点を持ち,十分な活躍をしてくれました。

 

道具は,火力を補強するためにいのちのたまを選択しました。いのちのたまを持たせることで,ダイマックス状態のリザードンをダイストリームで確定で倒すこと,エルフーンのうそなきと合わせてダイマックス状態のトゲキッスを倒すこと等,多くの相手の効果的にダメージを与えることができます。

 

配分は,最速アイアント等を抜く意味から最速,かつ最大限の火力を出す意味からCに特化させました。カプ・コケコと似たようなイメージで差し支え無いでしょう。

 

技構成に関してはタイプ一致のダイストリームのベースとなるねらいうちを選択しました。ハイドロカノンであれば,ダイマックス状態で火力が絶大になるものの,相手にトリトドンがいる時でも水技を通したい場面があること,ダイマックス前提の運用では無いこと等の理由からねらいうちを選択しています。次に,ダイアイスのベースとなるれいとうビームを選択。今回のルールはインテレオンバイバニラのような構築が幅を利かせていることからも,氷タイプの技の通りが良いためインテレオンを採用するにあたり,入れ特であると言っても良いでしょう。今回はダイマックス前提ではないため,命中安定を取ってふぶきは選択から外しました。次に,ダイアースのベースとなるマッドショットを選択。三大ダイマックス技であるこの技は,耐久に不安があるインテレオンと相性が良いことは勿論,ジュラルドンミラーの際に有利に働くため,非常に強力です。最後の技には,まもるを選択。インテレオンは耐久面が脆弱であるため,慎重に扱って初めて真価を発揮することができます。ダイジェットのベースとなるエアスラッシュは今回は採用を見送りました。その理由として,エルフーンによるS操作の体制が確立されていること,基本的にダイジェットを使う相手に対してはダイマックスさせ,エルフーンと並べることで上から倒すことができるため,ダイジェットの打ち合いをする場面がほぼ無いこと等を加味しての判断です。

 

 f:id:shun0727akaba:20200228223424p:plain エルフーン

 

性格 おくびょう

特性 いたずらごころ

道具 きあいのタスキ

技  エナジーボール,あまえる,うそなき,おいかぜ

数値 136(4)-×-105-129(252)-95-184(252+)

調整 CSに特化させているため無し

 

今回の構築における主軸のサポート役です。S操作,うそなきによるサポートが優秀であり,ジュラルドンやインテレオンを通す上で必須であると考えます。

 

道具は,場持ち重視の観点からきあいのタスキを選択しました。多くのエルフーンがこの道具を所持している通り,すりかえギミックを採用する場合や,他のポケモンきあいのタスキを取られていない限りは基本的にこの道具の選択になるでしょう。

 

配分については,同速を意識した最速,かつエナジーボールを最大打点で使用する意味からCとSに特化させています。

 

技構成については,おいかぜ・うそなきは確定させました。この技の有用性は先述している通りであるので,ここでは省略させて頂きます。次に攻撃技として,エナジーボールを採用。先述した通り,環境に多い水ロトムミロカロストリトドンにタイプ相性抜群を取ることができるため,非常に強力です。ムーンフォースは後述するトゲキッスにフェアリー技を採用していることから,採用を見送りました。最後の枠にはあまえるを選択しました。環境に多いドリュウズに対して有効打を持つことは勿論,トリックルーム下のドサイドンに使用することで,トリックルームターンを凌ぐことができ,有効に働く場面が多くありました。因みに,kouからアドバイスを頂いての採用です。

 

 f:id:shun0727akaba:20200229212735p:plain トゲキッス

 

性格 おだやか

特性 きょううん

道具 リリバのみ

技  マジカルシャインこのゆびとまれ,サイドチェンジ,まもる

数値 191(244)-×-122(52)-141(4)-176(196+)-102(12)

調整 HB:いじっぱりドリュウズのいのちのたまダイスチル最高乱数切って耐え

   HD:ひかえめトゲキッスのダイジェット確定3

 

今回の構築におけるサポーター・削り要員・地雷要員の性質を持つ汎用枠です。先述した通り,このゆびとまれによるサポート要員,マジカルシャインで最低限のダメージレースに参加すること,サイドチェンジやまもるで相手のプレイングを歪ませること等様々な仕事をこなすポケモンです。さすがトップの使用率を誇るだけあると思います。

 

道具は,メジャー所のリリバのみを選択しました。調整の項においてもドリュウズを意識した配分をしていることは勿論ですが,ダイマックスしたポケモンのタイプ不一致鋼技に怯える必要が無い,ある種の安心感という意味からも適切であると考えます。

 

配分は,リバティノートさんに掲載されているサポート型トゲキッスを借用させて頂きました。育成論として物理耐久と特殊耐久のどちらに寄せるかという難しい問題がありますが,トゲキッスの弱点が岩タイプを除き,電気タイプや氷タイプ等の特殊方面のメインウェポンである点を鑑み,性格をおだやかにして調整を図ることが望ましいと考えました。今回はサポーターでの運用が基本となるため,あくまで耐久値に重きを置いた育成となっております。

 

技構成については,サポート技であるこのゆびとまれ,最低限のダメージレースに参加するためにタイプ一致のマジカルシャインまでは確定。次にまもるを選択しました。このゆびとまれを持つポケモンがこの技を持つことには大きな意味があると考えます。例えばこちらがダイマックス状態インテレオンを使っており,トゲキッスダイマックス状態のジュラルドンを相手にしている場合を仮定します。この場合,ジュラルドンに対してダイアースを選択すれば大ダメージを与えることができますが,このゆびとまれを考慮すれば,使用が躊躇され,安定択としてトゲキッスにダイアイスを打つ選択を取る可能性が高いです。そのような時に,この技を使用することで相手に対してヘイトを蓄積させることができ,それ以後のプレイングにおいて様々な択を与えること,プレイングミスを誘うこと等のメリットがあります。また,最後の技であるサイドチェンジを見せることでその効果は絶大なものとなり,勝ち筋を見出すことにも繋がると考えます。エアスラッシュトゲキッスには採用されることが多いですが,あくまでサポーターとしての運用であり,ダイマックスさせる選択を取らないことから今回は採用を見送りました。

 f:id:shun0727akaba:20200228222834p:plainロトム(火)

 

性格 ひかえめ

特性 ふゆう

道具 オボンのみ

技  10まんボルト,オーバーヒート,おにび,わるだくみ

数値 156(244)-×-128(4)-165(196+)-128(4)-114(60)

調整 Cを11nで調整,Sを準速バンギラス抜き,Hを4nオボンのみ最大効率で調整

 

今回の構築において,立ち回り幅を増やす観点から採用を決めました。リザードン構築も対しては,相手にトリトドンがいる場合は先述した立ち回りでは勝機を見出すことが厳しいため,こちらをダイマックスさせる等柔軟な立ち回りを取ります。

 

道具は,場持ち意識の観点からオボンのみを選択しました。こだわりメガネやこだわりスカーフも選択の余地がありましたが,今回の構築においては先述した対コータスに対する削り要員,技構成の中にわるだくみを採用しており,「わるだくみ→受け→木の実で回復→ダイマックス」のような立ち回りも可能になること,対トゲキッスに後投げして切り返すこと等の理由を加味しました。ピンチベリーの弱体化の影響もあることからも,基本的にはオボンのみで良いと考えます。

 

配分は先述している通り,場持ちを意識して耐久型での採用となりました。素早さラインは最速バンギラスを抜き,上からおにびを打つ,10まんボルトで削ることができれば良いと考えました。実際,ランクマッチやINCにおいて最速バンギラスとマッチすることは一度も無く,十分なラインを確保できていたと考えます。

 

技構成については,タイプ一致のメインウェポンである10まんボルト・オーバーヒートまでは確定。次に,先述した通りオボンのみとの相性の良さからわるだくみを選択しました。最後の枠には,構築において特性いかくをもつポケモン採用していないこともあり,おにびを採用しましたが,正直ここの枠はあくのはどう・まもるを選択しても良かったような気はしております。直前まで悩んでいたものの,先日のオセアニア大会にておにびとわるだくみを両立したヒートロトムを目にし,こちらに落ち着きました。

 

f:id:shun0727akaba:20200229215306p:plain ナゲツケサル

 

性格 ようき

特性 まけんき

道具 とつげきチョッキ

技  インファイト,はたきおとす,アイアンヘッド,じしん

数値 175-172(252)-110-×-81(4)-145(252+)

調整 ASに特化させるているため無し,Hを16n-1

 

今回の構築における,対ナーフポケモンへのけん制枠です。7世代において,私はバシャーモキリキザンの並びを愛用していたということもあり,このような相手からのナーフをトリガーにできるポケモンを握ることに自信がありました。基本的には,ゲームの終盤にインファイトで一掃する立ち回りを取ることが多いですが,相手からバークアウトが飛んでくる場面,交換や後発で特性いかくを持つポケモンが来ることが予想される際には積極的に場に出していきます。

 

道具は,数値的に脆弱である特防を補うためにとつげきチョッキを選択しました。とつげきチョッキを持たせることで,相手のトゲキッスのきょううんを加味してマジカルシャインを確定で耐えることができる点が非常に安心感がありました。他にも候補としてビビりだまやこだわりスカーフを試しましたが,前者は相手本位になり,まけんき発動機会に恵まれなかった場合に腐ること,後者は最速ドラパルトの上から攻撃できる等のメリットこそあるが,せっかくの技範囲の広さがムダになること等の理由から耐久値を保証するとつげきチョッキの選択が丸いとの判断になりました。

 

配分はAとSに特化させています。Sは種族値バイバニラより1高いこと,構築の中にトリックルームを採用していないこと等の理由から,最速にしたいという思いがありました。また,最速にすることで今回の構築におけるジュラルドンのじゃくてんほけんを行動前に発動するという強みもあります。Aに関しても最大火力でインファイトを繰り出す意味から特化としました。

 

技構成については,タイプ一致の最大火力を実現できるインファイトを選択しました。かわらわり等と比較して耐久が落ちる点はデメリットではありますが,配分との兼ね合いもあり,インファイトの方が適切であると考えました。次に,はたきおとすを選択しました。7世代のガオガエンに採用されることが多かったように,この技を外す理由が正直見つかりませんでした。次に,弱点であるフェアリータイプに打点を持つことができるアイアンヘッドを選択。最後に,ジュラルドンのじゃくてんほけんを発動させることができるじしんを選択し,今回の技構成が完結しました。フェイントの採用も考えましたが,他の技を切ってまで採用するメリットに欠けるため,採用を見送りました。

 

主な選出と立ち回り 

 

基本選出

 

先発:ジュラルドンorインテレオン+エルフーンorトゲキッス

後発:先発において選出していないサポート役+相手の通りが良いポケモン

 

対ドラパルトキッスバンドリ@2

 

先発:ジュラルドン+エルフーン

後発:インテレオン+トゲキッスorナゲツケサル

 

@2でこの選出も若干変わるのですが,基本的にはこの並びで選出します。相手のトゲキッスを最優先で処理し,ドリュウズきあいのタスキを潰しながら後続のインテレオンで詰めるプランを取ります。初手にドラパルトとトゲキッスを並べてくる場合は,てだすけとドラパルトのダイドラグーンを重ねてくる可能性が大なので気をつけます。

 

 ・対ガチトリル

 

先発:ジュラルドン+ナゲツケサル

後発:トゲキッス+エルフーンorヒートロトム

 

まずはサマヨールしんかのきせきをはたきおとすで取り除き,トリックルームを2回以上決められない体制を整え,ダイスチルやあまえるで相手のドサイドンの攻撃を受けきる立ち回りを目指します。レパルダストゲキッスこのゆびとまれでまねっこを阻止して立ち回る等,上記の選出を基本として柔軟に立ち回ります。

 

リザードンエルフーンorヤミラミブルンゲルローブシン

 

先発:インテレオン+エルフーン

後発:トゲキッス+ヒートロトム

 

相手が初手にリザードンエルフーンを並べてきた場合はほぼ勝ち確定です。おいかぜで盤面を作った後に,トゲキッスでサポートしながらインテレオンのサポート。ヒートロトムで詰めてeasy winです。この構築に対しては自分なりに決まった立ち回りをするだけで(急所非考慮)基本的には勝つことができます。向こうから何らかの対策されることを嫌い,今回は詳細は控えますが,分かる人はすぐ分かると思います。

 

アイアント

 

先発:ヒートロトム+トゲキッス

後発:インテレオン+エルフーン 

 

ヒートロトムは相手のアイアントのダイロックをダイマックス状態で耐えることができるため,大事に動しながら勝利を目指します。最悪,ヒートロトムアイアントを処理するルートを潰してしまった場合はインテレオンやあまえるで頑張る立ち回りを取ります。比較的勝率は良い方であったと記憶しています。

 

最後に

 

INCの結果は後日,私のアカウントにて報告させて頂きますが,自分なりに納得のいく完成度の高い構築を作成することができたと自負しています。また,ランクマッチにおいても8世代では自身初の2桁を達成することができました。それは,構築作成に協力して貰った,kouをはじめとした身内ポケ勢の皆様の協力があってのことです。改めてこの場を借りて感謝の意を表します。特にkouからは,技構成や補完等で有用な意見を頂戴し,それが有効的に働く場面が数多くありました。本当にありがとうございました。ダイマックスという新しい仕様に未だ慣れることができず,苦戦しておりますが引き続き楽しんでいきましょう!